不眠外来についてのご案内
当院の不眠外来では、寝つきが悪い、夜中に目が覚める、睡眠の質が良くないといった、睡眠にかかわる問題を抱えている方を診療します。
睡眠にかかわる問題は、仕事・家事・学業・運動など、日中の活動におけるパフォーマンスにも影響します。そればかりか、眠気による不注意から事故などにつながるケースも見られます。
睡眠にかかわるお悩みがある方、市販薬に頼らずに睡眠の悩みを解決したいという方は、ぜひ一度当院の不眠外来にご相談ください。
※精神疾患に伴う不眠でお悩みの患者様への診療は行っておりません。予めご了承ください。
不眠症セルフチェック
~このような症状でお悩みはございませんか?~
- 睡眠時間が足りない
- 睡眠の質が悪い
- 布団に入ってから眠るまでに時間がかかる
- 寝ている途中で目が覚める
- 起きたかった時間より早く目が覚めて、もう一度眠れない
- 眠れないせいで、日中の気分が悪い
- 日中に激しい眠気がある
不眠症で病院に行くタイミングは?
「あと5分だけ眠りたい」「昨日はよく眠れなかった」とういことは、多くの方が一度は感じるものです。
医療機関を受診する目安は、「不眠によって日常生活に支障をきたしている場合」とお考えください。もちろん、最初に挙げたような睡眠への小さな不満が続く場合も、改善の余地はあるかと思いますので、お気軽にご相談ください。
不眠症とは?不眠の種類は4タイプ
不眠症は、①入眠障害、②中途覚醒、③早朝覚醒、④熟眠障害のうちの1つ以上の問題が1ヵ月以上続き、日中の精神・身体の不調が認められる状態を指します。
精神・身体の不調としては、倦怠感、意欲低下、集中力低下、注意力低下、食欲低下などが挙げられます。
①入眠障害:なかなか寝付けない
眠ろうという意思をもって床についてから寝付くまでに、30分以上かかる状態です。
不安、緊張などが強いときに起こりやすい障害です。
②中途覚醒:途中何度も目覚める
寝付いてから、夜中に何度も目が覚める状態です。また、目が覚めたあと、なかなか眠れないケースも多いようです。
一般に、年齢を重ねるに従って多く見られる障害です。
③早朝覚醒:朝早く目覚めてしまう
起きるつもりであった時刻よりも、2時間以上早く目覚めてしまう状態です。
中途覚醒と同様、年齢を重ねるに従って多くなります。
④熟眠障害:ぐっすりと眠れない
睡眠時間は十分に確保しているはずなのに、ぐっすりと眠れない状態です。寝起きもすっきりしません。
背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることあります。
不眠の原因
不眠の原因は、実にさまざまです。
- 仕事、家庭、学校などの人間関係に伴うストレス
- 生活リズムの乱れ(昼夜逆転、睡眠時間がバラバラなど)
- 睡眠時無呼吸症候群、脳神経疾患、呼吸器疾患、慢性副鼻腔炎
- アルコール
- 薬の副作用
- 室温が高い/低い、騒音
- うつ病などの精神疾患
生活リズムや室温などは、ご自身でも改善しやすいポイントですので、まずは試してみるのが良いでしょう。また、アルコールは入眠の助けになることはあるものの、夜中の覚醒を起こしやすくなるため、特に寝酒は控えてください。
不眠症の改善方法
思い当たる原因がある場合には、まずはその改善に取り組んでみましょう。
症状が重い場合、原因が思い当たらない場合には、病気の可能性も考慮し、当院にご相談ください。
規則正しい生活リズムへの改善
起床と就寝の時刻は、できるだけ一定にしましょう。夜更かし、長時間のお昼寝などをすると、翌日以降の睡眠に影響します。
また、寝だめは基本的に効果がないとされており、体内時計の乱れに繋がるため、避けるようにしましょう。
食習慣の改善
三食、できるだけ決まった時間に摂りましょう。朝食をきちんと摂って日中に活発に動き、夕食をほどほどにすることもポイントです。
また、夕食は遅くとも就寝2時間前までに終わらせるようにしましょう。
カフェイン、タバコ、アルコールは
控えめに
カフェイン、ニコチンには覚醒作用があります。コーヒーなどを飲み過ぎないようにし、特に夜は口にしないのがおすすめです。また、できるだけ禁煙しましょう。
アルコールは、入眠の助けになることがありますが、夜中の覚醒や、睡眠時の無呼吸の原因にもなります。特に寝酒は控えてください。
適度な運動
日中に適度な運動をすることで、寝つきがよくなります。また、ストレスの解消という意味でも有効です。
ご自身で最初に「毎日必ず」「週に〇日〇時間」と目標を高く、ルールを厳しくすると、逆に続かないこともあります。達成できたなった時のストレスが反動になる場合もありますので、自分のペースで楽しく続けられるスポーツを探してみましょう。
良い睡眠のための環境づくり
今一度、睡眠に適した環境であるかどうかを考えてみてください。特に、以下のような点に気をつけてください。
- ぬるめのお風呂に、やや長めに浸かる
- 夕食後は音楽をきく、読書をするなどのリラックスタイムにあてる
- 就寝前から部屋を暗めにしておく
- 就寝前の2時間はテレビ、パソコン、スマホのモニターを見ない
- 室温は26℃前後、湿度は50~60%に近づける
- 汗をよく吸ってくれるパジャマ、寝具を選ぶ
当院で行う不眠治療
生活習慣指導
生活リズム、食事の摂り方、運動、就寝時の環境など、改善できる点を指導いたします。
薬物療法
患者様の症状、ライフスタイルをお伺いした上で、お薬を処方します。
脳の興奮を抑える「GABA受容体作動薬」、体内時計を整える「メラトニン受容体作動薬」、自然な入眠を促す「オレキシン受容体拮抗薬」などがあります。