低用量ピルの効果
ピルは避妊を目的として服用を希望される方が多いですが、避妊効果の他にも、次に挙げる6つの効果を得ることができます。
避妊目的での服用は保険適用外となりますので、ご注意ください。
月経量が少なくなる
通常、エストロゲンの分泌量は排卵に備えて増加します。しかし、エストロゲンが配合された低用量ピルを服用すると、脳が“エストロゲンの分泌をしなくていいよ”と働きかけ、排卵が止まります(生理が止まるわけではありません)。
排卵がないため、子宮内膜が厚くなることもなく、月経量が少なくなります。
生理不順・生理痛の改善
生理不順の原因の1つに、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。低用量ピルの服用によってこのホルモンバランスが整うことで、生理周期の改善が期待できます。
また、低用量ピルの服用によって排卵を抑制すると、子宮の激しい収縮の原因となるプロゲステロンの分泌が少なくなり、生理痛が和らぎます。
月経前症候群(PMS)の改善
月経前症候群(PMS)は、主にプロゲステロンの働きによって引き起こされています。
そのため、低用量ピルの服用によってプロゲステロンの分泌を抑えることで、月経前症候群の症状の軽減が期待できます。
避妊効果
低用量ピルの服用によって排卵が止まることで、妊娠を防ぐことができます。正しく服用すれば、99%以上の避妊効果が得られます。
ホルモンバランスによる肌荒れの改善
肌荒れの原因の1つに、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。低用量ピルによってホルモンバランスを整えることで、特に遊離テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの産生が抑制され、肌荒れの改善が期待できます。
卵巣がん・子宮内膜癌の予防
周期的な排卵があるということは、卵巣上皮の破裂と修復を繰り返すということです。卵巣がんは、その修復がリスク要因となると言われています。低用量ピルによって排卵を抑制することで、(破裂と)修復の機会が少なくなります。
また、エストロゲンが発生に関与している子宮内膜癌も、低用量ピルを服用することで、5年間で見た場合のリスクを半分以下に抑えることができると言われています。
低用量ピルの種類
自費扱い
一相性(デソゲストレル・エチニルエストラオール配合錠)
高い避妊効果が得られます。また、男性ホルモンと呼ばれるアンドロゲンの影響が一番少ない第三世代ピルなので、ニキビ改善にも効果があります。
受験や旅行といった大事なイベントのために生理日を調整したい方も、この種類を使われる方が多いです。
- ファボワール(ジェネリック)
- マーベロン(先発医薬品)
三相性(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール配合錠)
自然のホルモンサイクルに近いとされています。また、ホルモン量を変化させるため、経血の量が多い方は減少傾向にあります。
- ラベルフィーユ(ジェネリック)
- トリキュラー(先発医薬品)
- アンジュ(先発医薬品)
- シンフェーズ(先発医薬品)
保険適用
ノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合錠
月経困難症、子宮内膜症の治療薬として処方され、保険が適用されます。
21日間の投薬期間後、7日間の休薬期間があります。
- フリウェルULD(ジェネリック)
- フリウェルLD(ジェネリック)
- ルナベルULD(先発医薬品)
- ルナベルLD(先発医薬品)
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
ベータデクス配合錠
月経困難、子宮内膜症の治療薬として処方され、こちらも保険適用です。
下腹部痛・腰痛を軽減させます。
24日間の投薬後、4日間の休薬期間があります。
- ヤーズ【周期投与タイプ】(先発医薬品)
- ヤーズフレックス【連続投与タイプ】(先発医薬品)
レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール配合錠
連続投与が可能な月経困難症治療薬です。
連続投与の際は、28錠シート→28錠シート→21錠シートの順で服用するため、順番を間違えないよう注意が必要です。
- ジェミーナ【21錠タイプ】(先発医薬品)
- ジェミーナ【28錠タイプ】(先発医薬品)
低用量ピルを服用するリスク・副作用
- むくみ
- 吐き気
- 不正出血
- 血栓症
以上のような副作用があります。むくみ、吐き気、不正出血については、服用を継続することでほとんどのケースにおいて軽減・解消されます。
血栓症は、ピルを服用している方1万人あたり10人以下にしか見られない、非常に稀な副作用です。
低用量ピルを服用できない方
下記に当てはまる方は、服用できません。
- これまでに低用量ピルを服用してアレルギーを起こした方
- 乳がん、子宮頸がんの疑いがある方
- 原因が分からない不正出血のある方
- 血栓性静脈炎、肺血栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴がある方
- 35歳以上かつ15本/1日以上の煙草を吸う方
- 心臓弁膜症がある方
- 血管病変を伴う糖尿病の方
- 高血圧の方
- 血栓性素因のある方
- 偏頭痛がある方
- 抗リン脂質抗体症候群の方
- 重い肝疾患の方
- 耳硬化症の方
- 妊娠中に黄疸・妊娠ヘルペス症状・持続性掻痒症が出たことのある方
- 妊娠している方、妊娠の可能性がある方、授乳中の方
- 思春期以前の方
当院で取り扱っている低用量ピルの種類・料金
取り扱い種類 | 料金 |
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マーベロン(28錠) | 3,300円 |
トリキュラー(21錠) | 3,300円 |