大腸ポリープとは?大腸がんに進行する?
大腸の壁は、内側から「粘膜」「粘膜下層」「筋層」の3つの層と「漿膜」という膜で構成されています。このうちもっとも内側の粘膜の一部が、主に隆起して形成されるものを大腸ポリープと呼びます。大きさはさまざまで、1ミリ程度のものから、数センチに及ぶものまであります。
大腸ポリープは大きく「非腫瘍性ポリープ」と「腫瘍性ポリープ」に分けられます。さらに腫瘍性ポリープは悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍(腺腫)に分けられ、大腸がんへと進行する可能性があるのが、この良性腫瘍です。一方で、良性腫瘍を経ずに、いきなり粘膜ががん化して大腸がんを形成することもあります。
大腸ポリープができる原因
食生活の欧米化、喫煙、飲み過ぎなどが主な原因と言われています。また、大腸がんの家族歴がある方、50歳以上の方は、そうでない方と比べて大腸がんのリスクが高くなると言われています。
大腸ポリープは切除するべき?
大腸ポリープが必ずがん化するというわけではありませんが、大腸がんの多くは、大腸ポリープががん化したものです。大腸ポリープの段階で切除しておくことは、大腸がんの予防という意味で非常に有効であると言うことができます。
ただし、直腸やS状結腸にできやすい、白色をした多発するポリープ(過形成性ポリープ)はがん化のおそれが極めて低いため、基本的に経過観察に留めます。
大腸ポリープの切除方法は3種類
ポリペクトミー(HSP)
もっとも一般的に行われる方法です。
スコープの先端からスネアと呼ばれる輪っか状のワイヤーを出し、ポリープに引っかけて、高周波電流で焼き切ります。焼き切ることで、切ったそばから止血ができます。ただ、その熱が術後の出血・穿孔の原因となることもありますので、下部組織に熱が伝わらないケースに限って選択することが大切です。
コールドポリペクトミー(CFP/CSP)
スネアをポリープに引っかけるところまでは、ポリペクトミーと同じです。コールドポリペクトミーでは、電流を使用せず、スネアを締め付けることでポリープを切除します。
切除の際の出血に対しては、その場で止血処置を行います。現在、もっとも安全性の高い方法と言えるでしょう。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
ポリープの中には、隆起していないものも存在します。そのような場合に選択されることが多いのが、内視鏡的粘膜切除術です。
ポリープの下に生理食塩水または薬液を注入し、持ち上げられたポリープにスネアを引っかけ、高周波電流で焼き切ります。なおこの場合は、生理食塩水や薬液に遮られて、下部組織への熱伝導が遮られるため、術後の出血・穿孔のリスクが抑えられます。
仕事が忙しくてもOK!
入院不要の日帰り手術が可能
当院では、大腸ポリープ切除を日帰りで受けていただける体制を整えております。
大腸カメラ検査を実施しポリープを発見次第その場で切除するケースと、他医療機関で発見したポリープを当院で切除するケースがあります。
※2センチ以上のポリープの切除が必要になった場合には、入院が必要になります。提携する病院をご紹介させていただきます。
大腸ポリープの切除にかかる所要時間は?
大腸ポリープ切除そのものは、10~20分程度で終わります。
大腸内視鏡検査+大腸ポリープ切除を行う場合、20~30分を目安としてください。
大腸ポリープの切除に痛みはある?
大腸粘膜には、知覚神経が存在しません。
そのため通常、大腸ポリープを切除する場合も、痛みを感じることはございません。
大腸ポリープ切除後の食事
大腸ポリープを切除した後、数日は食事制限(消化の良いものを食べる必要)があります。脂っこいもの、高脂肪食、刺激物、アルコールなどはお控えください。
切除した当日と翌日には特に注意が必要です。以下のようなお食事をおすすめします。
- 素うどん
- ごはん、おかゆ
- 食パン(×菓子パン、総菜パン)
- スープ
- そば
- 脂身の少ない肉類
- 豆腐
- 卵料理
- やわらかく煮込んだ野菜
- プリン、ゼリー
当院で行う大腸ポリープ切除の費用
保険診療(1割負担) | 保険診療(3割負担) | |
大腸ポリープ手術 | 8,000円~10,000円 | 28,000円~30,000円 |
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